12月4日「これからの男子教育」

成城中学・高等学校
栗原 卯田子 校長


『男の子には、男の子の伸ばし方がある』

 
もともとは数学教師、都立高校の校長を経て、
現在は成城中・高におられる栗原校長は、
様々なタイプの学校を経験してこられました。 
 
栗原校長が初めて校長として都立高校に着任した際、
時計の針が垂直になっていたり、男子トイレの扉がなかったり、
ものすごく衝撃を受けたそうです。
3年後には閉校になるその高校で、学校生活をどういう環境で送るかを重視してきました。
毎日学校に通うこと。毎日授業を受けること。
習慣形成することが大事なのです。
 
男の子と女の子では、発達段階が違います。
高2くらいまでは、女の子のほうが成長が早く、
男の子はお調子者で面倒なことはキライ。
また、男女で疑問の持ち方や考え方が違うため、
教科教育においても別学の良さがあります。
男の子だけの環境に身を置くと、
彼らの発達段階に合わせた環境なので、ゆっくりだけど伸びやすいと言います。
男の子には、男の子の伸ばし方があるのです。
 
成城の校章は、知・仁・勇であり、儒教による3つの徳を示しています。
これを、栗原校長はこれからの男子教育にあてはめ、解釈しています。
「知」・・・確かな知識、教養、賢明な知性。
「仁」・・・チームワーク、人を思いやる心。
      感覚の違う人と一緒に仕事をするために必要なことです。
「勇」・・・答えのない課題や困難に挑戦する姿勢。
これが、今日のグローバル時代に求められる資質なのです。

一人ひとりの個性と能力を伸ばし、主体的に生きることが大切です。
失敗は財産です。 小さい時にいっぱい失敗させてください。
どう立ち上がるかが大切なのです。
 
また、積極性を育てるという意味では、
その子にとって男性のあこがれができるといいですね。
実力を持っている子、かっこいい子、尊敬できる先輩がいると、
価値観ができてきて近づこうと努力しますよ。
 
経験豊富な栗原校長のお話は、引き込まれる内容であっという間の一時間でした。
栗原校長の子どもたちへのまなざしが伝わってくるようなお話で、
そんな風に子どもを見つめられたらいいなと、そう思えるお話でした。


花まるカフェマスター
菊池 光昭
 
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