井本 陽久 先生
『裏付けをとることが大事』
副題は、「証明が好きになる魔法――は、無い」だそうです。
井本先生の思わぬ言葉に、「ええっ!」と驚きの声が上がります。
魔法はなくても、子どもが嫌なことを取り除いてあげれば、自然と好きになるといいます。
証明が嫌いになる要素は2つあります。
①書くのが面倒である
②何を言ったら証明したことになるのかわからない
これらを取り除くために、記号を使って書くことを最小限にし、
使える公理を限定してルールをはっきりさせます。
そうすることで、無理なく学習できるのです。
「公理」とは、あることを正しいと説明するために正しいと仮定する出発点(前提)のことです。
証明するには、なぜそうなるのかという根拠を明確にすることが大切なのです。
与えられた公理だけを使って、証明で使う根拠を考えるという授業。
限られた中から公理を選んで、記号を書くだけ。面倒な文章は省略します。
最初は文章を書くことよりも、使っている根拠を把握することを重視しています。
記号を書くだけなら楽ちんですね。パズルのようにどんどん進めることができます。
なぜ、証明のような論理的思考は必要なのでしょうか?
パッと見でわかることもあります。直感はすごく大事です。
しかし、直感はたまに間違うことがあります。
これが命取りになることもあるのです。
間違った時に取り返しのつかないことになることもあるのです。
だから、裏付けをとります。
正しいと分かっていても裏付けをとることは大切なのです。
また、試行錯誤することは生きていくうえで必要な力だと言います。
もちろん、失敗を生むこともあります。
失敗した時に怒ってはいけません。
失敗しないようにするのではなく、失敗を次に生かしていくことが大切です。
今回の授業で、証明を学習する意味がよくわかりました。
証明は、根拠が大切であること。
それは、「裏付け」という世の中で生きていくうえで必要な力につながっているということ。
証明で学んだことが今後の人生で生かされるよう、数学を学んでほしいですね。
花まるカフェマスター
菊池 光昭