7月4日「今、お母さんが知りたいこと」

駒込中学・高等学校
河合孝允 校長


幅広い見識をお持ちの先生で、仏教の話から、量子力学の話、脳科学の話、
国文学の話、どんな内容でも自在に話されます。
そんな河合校長が仰る、良い子を育てる為に必要なこと。
「三歳までは肌を離さない 七歳までは手を離さない 

   十三歳までは眼を離さない 十九歳までは心を離さない」
教の視点に基づいたお話が印象的だった今回。
子育てレシピ第1弾として、(第2弾は乞うご期待!)
駒込中学・高等学校の河合孝允校長にお話しいただきました。



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日本では古くから自然観が根付いています。
まず、お話に出てきたワードを読み解きます。

「唯我独尊」・・・自分だけが優れていると自負すること(岩波国語辞典第四版より)
悪い意味で使われることが多いですが、本来の意味は異なります。
河合先生はこう言います。
自分の魂はかけがえのない存在であり、大切にする必要があるということ。
それは他者に対しても同じであるということ。
個性を認める、という言い方もしていましたが、
自分を大切にし、他者も大切にするという考え方が読み取れました。

「温故知新」・・・昔のことを訪ね求めて、そこから新しい見解・知識を得ること(同上)
駒込中では、林間学校で比叡山に行き、夜間に30km歩くそうです。
歩き終えると子どもたちは感動し、自分に素直になれると言います。
「産んでくれてありがとう」なんて
普段ならきっと恥ずかしくても言えないことも、言えるそうですよ。
気づき学習の一環ですが、ほかにも伝統から学ぶことはありそうです。

さて、本題の子育てレシピで大切なことは3つあります。
①自己肯定観
②他者信頼性
③「忘己利他(もうこりた)」
この言葉は、「己れを忘れて他を利するは、慈悲の極みなり」という最澄の言葉からきています。
悪いことは己に向かい、良いことは他者に、それこそが慈悲の心、ということです。
慈悲の精神を育てることが、仏教の根源だと言います。
自分の子どもに慈悲の精神を育てるには・・・あなたならどうしますか?

また、子育てにおいて大切なことを以下のように挙げ、誇りを持ってほしいと言います。
・無条件に愛すること
・無条件に献身的であること
・情熱を持つこと
もし、自分の子どもが犯罪を犯してしまったとします。
その子を愛してあげられるのは、母親しかいません。
世界を敵にしてもわが子を守る、ということは当たり前のようなことですが、
それだけ重要なことなのです。
違った視点から、脳についてのお話もありました。 
脳の発達は、男女の違いがあるといいます。
女の子は共感脳が発達しているので優しい子に、
男の子は意欲脳が発達しているので競争心のある子に、
というお話も印象的でした。
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子育ての根底に仏教の教えを置くというのは、
とても興味深い考え方でした。
それに加え、河合先生の子育て論を幅広く聞くことができました。

【今日の1曲】DJ 西川 文平

Love/John Lennon
→愛とは真実、感覚、触合いなど東洋的な言葉の洗練によって成り立っている、
押しも押されぬ20世紀を代表するロックシンガーのソロ時代の代表曲。
彼が妻オノ・ヨーコからの影響を始め、東洋的・仏教的世界観に傾倒していたのは、
とても有名な話です。

 本日もありがとうございました。

花まるカフェ マスター
菊池 光昭

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