10月24日「合教科の試み~多角的な見方や考え方を身につけるには~」

共立女子中学・高等学校
金井 圭太郎 先生 


『最初に教科があったのではなく、あとからできたのだという感覚』


突然ですが、問題です。

「扇状地と三角州のでき方の共通点は何でしょうか。
流れる水の働きの変化に触れて、40字以内で書きなさい。」

これは、理科の問題でしょうか、社会の問題でしょうか?
あるいは国語の記述問題ともとれます。
複数の教科にまたがる事柄は、結構あるものです。
 
教科の枠にとらわれてしまうと、知識がぶつ切りになってしまい、
他の教科で習ったことをその教科で反映されない、ということが起こりえます。 
 
また、文部科学省では、横断的に考える力を目標としています。
それは大人になったときに仕事でも使えるスキルです。
 
共立女子では、特別教養講座というのを行っています。
複数の教科でアプローチすること、
外に出て現地に足を運び、実際に見たり聞いたりすることを大事にしています。 
 
例えば、「明暦の大火」。
歴史で習うことですが、地理、地学、古典からアプローチしています。
地理は、火災が広がったのは地形が影響しているという仮説から、江戸の地形について。
地学は、なぜ冬は空気が乾燥しているのか?というテーマ。
古典は、古文の中に出てくる明暦の大火について見ていく、ということ。
色々な角度から知ることができ、より深く理解できそうです。
 
「とうふ」というテーマでは、
実際に作ってみて凝固について学ぶ(化学)、
大豆の輸入について学ぶ(社会)、
おからのケーキや、江戸時代のとうふ料理を作る(家庭科)、
などといった学びになります。
 
他にも、「スケートの科学」「江の島」など、
おもしろそうなテーマがたくさんあります。
生徒だけでなく、先生も楽しみながら授業をやっているそうです。
教える側がおもしろそうに教える、というのは大切なことですね。
 
家庭でも、子どもに教える場面はあると思います。
その際に大切なのが、次のことです。
・文系だからわからない、だとか、理系は無理、といった意識を刷り込まないこと
・本やメディアは一つだけを鵜呑みにせず、いくつか見比べること
・わかったつもりにならず、実際に行ってみたり触ってみたりすること
・一緒におもしろがったり、驚いたりすること
 
お母さんも一緒になって楽しんでくださいね。
 
 

【今日の1曲】DJ 西川 文平

Jamican Lady/Cornel Dupree
フュージョンバンドstuffでよく知られるコーネルの初リーダーアルバムTeasin'よりセレクト。
怪我ののちの復帰作ですが、凄まじいクオリティと
クロスオーバー/フュージョンの萌芽が堪能できる名盤です。
 
 
花まるカフェマスター
菊池 光昭
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