10月23日「手抜き子育てが子供を育てる~食でつながる~」

実践女子学園中学・高等学校
嶋野 恵子 校長 


『子育ては楽しい。そして、終わりはない』



今回の嶋野校長は、ご自身が母親として男の子を成人するまで育ててきました。
母親の大先輩として、子育ての経験談をお話しいただきました。

子どもが小さいうちは、タイトルとは逆に、手を抜いてはいけないと言います。
3歳までは、親が徹底的に与え、徹底的に子どもを見ていくということが大事です。
3歳からは、幼稚園や習い事が始まって環境が変わり、戸惑います。
うちのルールとよそとのズレについて、説明すればわかる年代なので、
そこは手を抜いてはいけないということです。

小学3、4年生頃から、手抜き=関わらない、という時期になってきます。
小学校高学年になると、第二次性徴が見られ、自立していきます。
しかし、半分子どもで半分大人である中途半端な時期。
この時期は、見てはいるけど言葉にしない、
何かあったときには相談してくれる関係が大事だそうです。
すると、自立が自律へと成長していきます。

嶋野校長のお子さんは、小5、6で自分のものは自分で洗濯できるようになりました。
中学生になると、家族のものも洗濯し、干すまでできるようになりました。
お母さんにとっては「手抜き」ですし、
子どもにとってはまかされる自信にもつながります。
ただし、干し方やしわについて、あれこれ言ってはいけません!
やる気をそいでしまいますね。そこはお母さんの我慢が必要です。

そして、忙しくても朝食は一緒にとる、という嶋野家のルールがあります。
あらかじめ買い込んだ食材を下処理しておけば、パパッと食事の支度ができます。
これも「手抜き」ですが、事前の準備があってこそなので、
むしろ手を抜いていないかもしれませんね。
食事中にニュースを見て、どう感じたかコミュニケーションをとったり、
エイズ週間には性教育の話をしたり。
話すことが当たり前になっているので、どんな話題でも違和感なくすることができます。
 
嶋野校長のお子さんは、結婚もして子どももいます。
子どもが大人になった今は、親である先輩としてアドバイスするそうです。
子育てに終わりはないのです。
孫よりも、子どもの方がかわいいと嶋野校長は言い切ります。
子育てに真剣になれる子どもの方が、かわいいと。
 
お母さん、子育てをずっとずっと楽しんでくださいね。
 
 

【今日の1曲】DJ 西川 文平

プリペアード・アコースティック・ギターとアルト・サックスによるインプロヴィゼーション、ストリングス・中世アメリカソース/菊地成孔
スペインにあるレストラン、エル・ブリ(映画にもなりましたね)の
デギュスタシオンコースに感化され制作された、
現代日本を代表するジャズマン菊地成孔によるアルバム
『デギュスタシオン・ア・ジャズ』よりセレクト。
食のイメージと音楽のアマルガム。もっと作られていいのにと思います。
 
 
花まるカフェマスター
菊池 光昭
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